固定資産税評価額の計算方法とマンションの分譲価格の違い

固定資産税評価額の計算方法とマンションの分譲価格の違い
マンションの固定資産税評価額と分譲価格は異なる計算方法と要素が関係しています。
マンションの固定資産税評価額は、建物全体の評価額を専有面積で割り振って計算します。
つまり、専有面積が同じであれば、1階の部屋でも最上階の部屋でも固定資産税評価額は同じです。
これは、マンションの建物部分に関する評価であり、専有部分の所有者がそれに対して支払う固定資産税の基礎です。
一方、マンションの分譲価格は、階層が上がるごとに3%の差が生じるとされています。
つまり、例えば30階建てのタワーマンションでは、同じ専有面積でも地上階と最上階では価格に2倍の差があります。
これは、マンションの購入価格の段階的な増加を示すものです。
この価格差は、階層の高さや景観の良さなどと関連しています。
このような価格差により、最上階の部屋の固定資産税評価額は、時価の約3割程度にまで圧縮されます。
これは、分譲価格の差が固定資産税評価額にも反映されるためです。
販売業者は、この節税効果を利用して、最上階の部屋の販売を促進しています。
この結果、節税効果のメリットに惹かれる居住目的の実需層だけでなく、海外投資家も含めた購買層がタワーマンションに興味を持つようになり、特に都心の一等地におけるタワーマンションの人気が高まっています。
しかしながら、タワーマンションによる節税効果は、国税庁によって否定されることもあります。
国税庁は、特別な権限を持っており、財産評価通達の第6項という規定によって評価方法を指示しています。
参考ページ:不動産投資 節税 仕組み タワーマンションで相続税対策の方法!
この通達は、「通達で定められた評価方法による評価と実際の時価との間に大きな乖離が生じ、かつ、その乖離を利用して極端な節税策が広がっている場合には、通達に従っていても「租税回避行為」として税務上不受理できる」という内容です。
したがって、国税庁は、通達に従わない意図のある節税行為を抑制するために、タワーマンションによる節税に対して厳しい対応を取ることがあります。
具体的な取り組みは不明ですが、節税効果に頼るだけではなく、法的な要件を遵守する必要があることを認識する必要があります。
これにより、マンション購入時の税務リスクを軽減することができます。