夫婦共有名義で不動産を所有する場合のメリット・デメリット

夫婦共有名義で不動産を所有する場合のメリット・デメリット
夫婦で不動産を共有名義で購入することには、以下のようなメリットとデメリットがあります。
メリット
共有名義にすることで、以下のようなメリットがあります。
1. 住宅ローン控除を夫婦それぞれが受けられることができる 共有名義で不動産を登記すると、夫婦それぞれの収入に対して住宅ローン控除の適用を受けることができます。
住宅ローン控除は、住宅ローンの年末残高に対して所得税と住民税が減税される制度です。
新築住宅の控除期間は通常13年間であり、中古住宅は10年間です。
夫婦が両方とも働いている場合、共有名義の方が単独名義よりも減税額が多くなるため、税金面でのメリットがあります。
ただし、共有名義にしても実際の所有権は夫婦の間で共有されるわけではなく、登記上の持ち分がそれぞれに分けられるだけであります。
そのため、将来的な売却や相続の際には、登記上の持ち分に基づいて権利が分配されることになります。
2. 配偶者が亡くなった場合、遺産分割の手続きが煩雑になることもある 共有名義のままでは、一方の配偶者が亡くなった場合には、遺産分割の手続きが煩雑になることがあります。
共有名義の不動産の権利を相続するためには、相続手続きを経る必要があります。
この手続きでは、遺言書や相続人の協議が必要となります。
ただし、これにより、遺産分割のルールに従って財産を分けることができるため、公平な分配が行われるメリットもあります。
参考ページ:共有 名義でローン は 夫 のみで離婚 財産 分 与 家 共同 名義の場合のメリット・デメリット
デメリットと注意点
共有名義にすると、以下のようなデメリットが生じるため、注意が必要です。
1. 売却がしにくくなる 共有名義の不動産を売却するためには、共有者全員の同意が必要です。
一方の共有者が売却に同意しない場合、他の共有者が売却することができません。
このため、意見の相違や意思決定の時間がかかる可能性があり、売却手続きが遅れることがあります。
2. 責任分担や利益分配について合意が必要 共有名義の不動産では、責任分担や利益分配について明確な合意が必要です。
例えば、不動産の管理や修繕にかかる費用や時間、売却時の利益分配などについて、共有者間で合意がなければ問題が生じる可能性があります。
これらのことを事前に話し合い、共有名義にすることのメリット・デメリットを理解しておくことが重要です。
以上が夫婦共有名義で不動産を所有する場合のメリットとデメリットについての説明でした。
共有名義にするかどうかは、具体的な状況や将来の計画を考慮して判断することが大切です。
必要に応じて、専門家のアドバイスを受けることもおすすめです。
夫婦の婚姻が解消される「離婚」の際に、夫と妻の間で行われる「財産分与」に関して特に注意が必要です

例えば、夫が自分たちの共有名義で登録されているマイホームを売却したいと望んでも、妻がその売却を拒否して住み続けることを要求する場合、実際には売却することはできません。
また、どちらか片方の名義に変更する場合でも、銀行や金融機関に事前の連絡や承諾が必要となります。
そして、元々2人で分けて負担していた住宅ローンが、離婚後は一方の個別の責任となる可能性もあります。